コンピテントセル(塩化カルシウム法)
コンピテントセル(competent cells)とは、外来DNAを細胞内に取り込める状態の細胞です。コンピテントセルの作製方法には、カルシウムイオン存在下でDNAに対する膜透過性を増大させる方法(塩化カルシウム法)と、より効率的に形質転換を誘導することが可能な塩化ルビジウム法などがあります。
今回、塩化カルシウム法について記載します。
準備するもの
形質転換可能なE. coli菌体(ここではDH5α)
1x LB(オートクレーブしたもの)
オートクレーブ済み三角フラスコ(100ml)もしくは50ml 滅菌コニカルチューブ
50mM CaCl2(オートクレーブしたもの)(1M CaCl2を20倍希釈して使用)
20%(W/V)グリセロール/50mM CaCl2(オートクレーブしたもの)
- クリーンベンチ内で25 ml LB溶液を100ml三角フラスコもしくは50ml滅菌コニカルチューブに入れ、グリセロールストックしておいた大腸菌液(DH5α)1mlを加える。37℃ 120~220rpmで3時間振盪培養する。
- 4℃、2,500~3,000rpmで5分遠心する。
ここで、50mM CaCl2を氷中で冷却し始める。 - 上澄み液を三角フラスコ等に捨てる(オートクレーブして廃棄)。
- 50mM CaCl2を10ml加え、氷水中で穏やかに懸濁する。ペレットが懸濁しにくい場合には、チップの先などでよく懸濁する(チップはオートクレーブ廃棄)。
- 懸濁液を氷中に15分放置。
- 4℃、2,500~3,000rpm,5分遠心する。
- 上清を除き、氷冷した50mM CaCl2を2ml加えて再懸濁する。
- すぐに使用しない場合は氷冷した50mM CaCl2/20%(W/V)グリセロールを2ml加え懸濁し、-80℃で保存する。冷凍保存しない場合は4℃で数日間は保存可能。
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